同族企業の分離による必要資金需要、重なる損失に伴う借入の増加により、財務体質は悪化の一途である。
加えて、経営管理面では、成り行き管理の経営が続き、収支のバランスに対する認識が不足していた。
換言すると、経費、返済高に対する認識が不足していたため、必要売上高、必要利益の明確な数値を把握していなかった。
結果は、借入返済の悪循環の中、借入高が増加という現象の中にあった。
先ず、資金繰りを安定すべく、経営改善計画を作成し、返済のりスケジュールを行った。
その上で、低い利益率の改善に取り組んだ。
経費の削減をはじめ、売上を構成している近距離、中距離、遠距離運送を分解し、効率運送に重点特化した。
更には、受注単価を改定すべく、価格交渉、更には価格の高い製品運搬受注の確保等を行った。
その他、利益獲得の為の運賃対利益早見表を作成し、営業活動の一助とした。
かくなる構成により、先ず利益率が改善され、順次売上高が伸びた。
その結果、財務内容が徐々に改善され、自己資本比率も向上した。要した期間は2年である。
現状では、必要運転資金を大きく超え、資金繰りにゆとりが発生した。
返済のリスケジュールの手前、新規借入が出来ない。
現状のゆとり資金は、新規車両購入資金として積み立てている。当然、金融機関の了承を得ている。
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