02.運送業 A社

利益率の改善により、キャッシュフローを増加させることによる再生の事例。

(1) 経営悪化の要因

同族企業の分離による必要資金需要、重なる損失に伴う借入の増加により、財務体質は悪化の一途である。

 

加えて、経営管理面では、成り行き管理の経営が続き、収支のバランスに対する認識が不足していた。

 

換言すると、経費、返済高に対する認識が不足していたため、必要売上高、必要利益の明確な数値を把握していなかった。

結果は、借入返済の悪循環の中、借入高が増加という現象の中にあった。

(2) 取り組みの内容

先ず、資金繰りを安定すべく、経営改善計画を作成し、返済のりスケジュールを行った。

 

その上で、低い利益率の改善に取り組んだ。

 

経費の削減をはじめ、売上を構成している近距離、中距離、遠距離運送を分解し、効率運送に重点特化した。

更には、受注単価を改定すべく、価格交渉、更には価格の高い製品運搬受注の確保等を行った。

その他、利益獲得の為の運賃対利益早見表を作成し、営業活動の一助とした。

かくなる構成により、先ず利益率が改善され、順次売上高が伸びた。

その結果、財務内容が徐々に改善され、自己資本比率も向上した。要した期間は2年である。

(3) 成果

現状では、必要運転資金を大きく超え、資金繰りにゆとりが発生した。

返済のリスケジュールの手前、新規借入が出来ない。

現状のゆとり資金は、新規車両購入資金として積み立てている。当然、金融機関の了承を得ている。

御相談無料お問い合わせはこちら